Câu 1: 問題1___の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1.これまでの学説を覆すような新事実が発見された。
A. ひるがえす
B. くつがえす
C. まどわす
D. ゆるがす
Câu 2: 2.この文書には、当時の生活の様子が克明に記録されている。
A. こうめい
B. きょうめい
C. こくめい
D. きょくめい
Câu 3: 3.窓を開けると、心地よい風が入ってきた。
A. ここじよい
B. こころじよい
C. ここちよい
D. こころちよい
Câu 4: 4.新社長は、これまでの経営方針を蹅鹽すると述べた。
A. とうしよう
B. とうしゅう
C. としょう
D. としゅう
Câu 5: 5.新しい政権には、医療掣摩の改革が期待されている。
A. かいかく
B. かいこく
C. かいがく
D. かいごく
Câu 6: 問題2( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1.この本は内容が難しすぎて、初心者には( )が高いと思う。
A. リミット
B. ブロック
C. ノルマ
D. ハードル
Câu 7: 2.プランの( )はすでに固まっています。
Câu 8: 3.本書の改訂( )は、9月上旬に発売の予定です。
Câu 9: 4.システムトラブルの原因を徹底的に( )し、再発防止に取り組みたい。
Câu 10: 5.カタカナの「ソ」と「リ」は( )ので、名前を書くときは気をつけてください。
A. まぎらわしい
B. 悩ましい
C. 疑わしい
D. わずらわしい
Câu 11: 6.この業者は魚を缶詰に( )し、それを海外に輸出している。
Câu 12: 7.市役所のロビーで、アマチュア写真家による写真展が( )います。
A. 施されて
B. 催されて
C. 設けられて
D. 挙げられて
Câu 13: 問題3___の言葉に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1. 山田先生に触発されて、画家の道を志しました。
A. 指導を受けて
B. 刺激を受けて
C. 援助を受けて
D. 評価を受けて
Câu 14: 2. 試合後のューで、選手たちはすがすがしい表情で質問に答えていた。
A. 真剣な
B. 興奮した
C. さわやかな
D. ほっとした
Câu 15: 3. その部屋にある家具は、どれも簡素なデザインのものだった。
A. クールな
B. シンプルな
C. モダンな
D. ユニークな
Câu 16: 4. 彼の誕生日パーティーの準備を、友人数人とひそかに進めている。
A. こっそり
B. 張り切って
C. のんびり
D. 急いで
Câu 17: 5. 高橋選手はの今年の大会への参加を断念したらしい。
A. あきらめた
B. きめた
C. ことわった
D. のぞんだ
Câu 18: 6. 努力をすればおのずと結果に表れてくる。
A. 絶対に
B. はっきり
C. 自然に
D. だんだん
Câu 19: 問題4次の言葉の使い方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1. 免除
A. 入学試験の成績優秀者は、入学金が免除になります。
B. 会費を2年間滞納すると、自動的に会から免除されます。
C. 3年後にもう一度試験を受けないとこの資格は免除されます。
D. うがいをすれば、風邪の免除になります。
Câu 20: 2. ブランク
A. 15分ほどブランクにしませんか。みんな疲れたようだし。
B. 2年のブランクがあり心配だったが、先月から職場に復帰した。
C. プレゼンの最中は緊張しちゃつて、頭がブランクだったよ。
D. 大事なデータをブランクしてしまった。
Câu 21: 3. 怠る
A. 彼はどんな苦労も怠らずに、いつも積極的に仕事に取り組んでいる。
B. 忙しいときは料理を怠って、買ってきた弁当で済ますこともある。
C. 昨日、会社を怠って映画を見に行ってしまった。
D. 成功を勝ち取るためには、日々の努力を怠ってはいけない。
Câu 22: 4. 見込み
A. 見込みもしないところで昔の友人に会った。
B. 周囲の見込みに応えて、すばらしい仕事を成し遂げた。
C. 田中さんは、来週には退院の見込みです。
D. 今日はこれから取引先に打ち合わせに行く見込みです。
Câu 23: 5. 満たない
A. 当店のサービスについて何か満たない点があればご記入ください。
B. どうがんばっても、英語力では田中さんに満たない。
C. 私が生まれたのは、人口500人に満たない小さな村です。
D. 会議資料が3人分満たないから、コピーしてきて。
Câu 24: 6. 有数
A. この商品は有数ですので、売り切れの場合もございます。
B. この国は世界でも有数の小麦生産国だ。
C. 会議で反対意見を述べた人は有数のみだった。
D. いくつもの案を比較、検討し、その中から有数の案を選んだ。
Câu 25: 文法
問題1次の文の( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1.40代( )後半となり、わたしもとうとう中高年の仲間入りだ。
Câu 26: 2.昔から「毒も( )薬になる小と言われている。
A. 使わんばかりに
B. 使おうものなら
C. 使いようによっては
D. 使うとなると
Câu 27: 3.映画 『ブラック』は評判通りの面白さで、特に、主人公が( )ざる敵におびえる場面は圧巻だった。
Câu 28: 4.山田さんがこの絵をいくらで手に入れたのかはわからないが、有名画家の作品であることから考えても、安くない値段で買ったことは( )間違いない。
A. まず
B. よく
C. かりに
D. なかなか
Câu 29: 5.お客様、ご希望のホテルが満室でしたので、他のホテルにご变更( )のですが......。よろしいでしょうか。
A. ねがいたい
B. なさりたい
C. くださりたい
D. になりたい
Câu 30: 6.この祭りは長い伝統があるので、みんなさんにはぜひこれからも( )。
A. 続けていくものです
B. 続けていってほしいもので
C. 続けていくことにしましょう
D. 続けていくことでしょう
Câu 31: 7.商品ご使用後の返品対応は( )ので、ご了承ください。
A. さしあげかねません
B. さしあげかねます
C. いたしかねません
D. いたしかねます
Câu 32: 8.他人の口座か5不正に現金を( )、35歳の男が逮捕された。
A. 引き出したとするとして
B. 引き出そうとしたとして
C. 引き出したとするのに対して
D. 引き出そうとしたのに対して
Câu 33: 9.(本屋で) A「あ、この本面白いよ。」 B「どんな話?」 A「主人公と恋人が、親に無理やり( )話なんだけど、すごくどきどきするんだ。」
A. 別れさせそうになる
B. 別れられそうにる
C. 別れさせられそうになる
D. 別れそうになる
Câu 34: 10.川村「石田さん、ギターがほしいって言っていましたよね。わたしの弟が使っていたギターがあるんですが、よければどうですか。」 石田「いいんですか。」 川村「はい。弟に聞いたら。弾いてくれる方がいるなら、ぜひと言っていましたので、どうぞもらって( )。」
A. いただいてください
B. いただきませんか
C. やりませんか
D. やってください
Câu 35: 問題2次の文の_★_に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1. __★__ __ 良心は残っているはずだ。
A. あろうと
B. どんな
C. 悪人で
D. どこかに
Câu 36: 2.インターネットの功罪といった議論があるが、インターネットはただの手段だ。その価値は ___ ___ ★ ___ ものだと思う。
A. 次第で
B. 人の使い方
C. 使う
D. 決まる
Câu 37: 3.たばこの値段が ___ ___ ★ ___ ことだ。
A. わたしにとっては
B. 上がろうと下がろうと
C. たばこを吸わない
D. どうでもいい
Câu 38: 4.A「見て見て、ルストラン 『夢』の無料券もらっちゃった。」 B「いいなあ。ちょっと見せて。なんだ、デザートー ___ ___ ★ ___ じゃないか。」
Câu 39: 5.1日午後4時ごろ、システムトラブルの影響により、一時メールサービスに障害が発生しました。お客様に ___ ___ ★ ___ お願い申し上げます。
A. 多大なご不便をおかけしましたことを
B. 深くおわび申し上げますとともに
C. 今後は再発防止に努めて参りますので
D. 引き続き本サービスをご利用くださいますよう
Câu 40: 問題3次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、(1)から(5)の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
わが国では一般に、日本人が外国語を話せないのは、教育の技術が悪いからだと信じられている。はたして..①..。確かに教育にも問題があろう。しかし、たとえばつぎの四点を実行..②..、どんなに「会話」がうまくても、国際的な場所では傾聴(注)されないだろう。
(1)自分の考えを論理的に表現する..③..
(2)遠慮せず議論に割りこむ..③..
(3)他の人とひと味違った発言をする..③..
(4)五分に一度は聴衆を笑わす..③..
この四点は考えようによっては、外国語を話すよりも難しい。..④..わが国では、語るには情をもってし、つねに控え目で、皆と同じことを行い、まじめでふざけないことが評価され、美徳とされているからだ。
こう考えてみると、日本人の外国語下手は、教育技術の問題というよりは、もっと深い文化の問題..⑤..と思うのである。
(小林善彦「なぜ下手か日本人の外国語」1992年8月21日付朝日新聞タ刊による)
(注)傾聴・真剣に聞くこど。
①に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A. そうであろう
B. 何であろう
C. そうだろうか
D. 何だろうか
Câu 41: 問題3次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、(1)から(5)の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
わが国では一般に、日本人が外国語を話せないのは、教育の技術が悪いからだと信じられている。はたして..①..。確かに教育にも問題があろう。しかし、たとえばつぎの四点を実行..②..、どんなに「会話」がうまくても、国際的な場所では傾聴(注)されないだろう。
(1)自分の考えを論理的に表現する..③..
(2)遠慮せず議論に割りこむ..③..
(3)他の人とひと味違った発言をする..③..
(4)五分に一度は聴衆を笑わす..③..
この四点は考えようによっては、外国語を話すよりも難しい。..④..わが国では、語るには情をもってし、つねに控え目で、皆と同じことを行い、まじめでふざけないことが評価され、美徳とされているからだ。
こう考えてみると、日本人の外国語下手は、教育技術の問題というよりは、もっと深い文化の問題..⑤..と思うのである。
(小林善彦「なぜ下手か日本人の外国語」1992年8月21日付朝日新聞タ刊による)
(注)傾聴・真剣に聞くこど。
②に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A. すれば
B. しなければ
C. しても
D. しなくても
Câu 42: 問題3次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、(1)から(5)の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
わが国では一般に、日本人が外国語を話せないのは、教育の技術が悪いからだと信じられている。はたして..①..。確かに教育にも問題があろう。しかし、たとえばつぎの四点を実行..②..、どんなに「会話」がうまくても、国際的な場所では傾聴(注)されないだろう。
(1)自分の考えを論理的に表現する..③..
(2)遠慮せず議論に割りこむ..③..
(3)他の人とひと味違った発言をする..③..
(4)五分に一度は聴衆を笑わす..③..
この四点は考えようによっては、外国語を話すよりも難しい。..④..わが国では、語るには情をもってし、つねに控え目で、皆と同じことを行い、まじめでふざけないことが評価され、美徳とされているからだ。
こう考えてみると、日本人の外国語下手は、教育技術の問題というよりは、もっと深い文化の問題..⑤..と思うのである。
(小林善彦「なぜ下手か日本人の外国語」1992年8月21日付朝日新聞タ刊による)
(注)傾聴・真剣に聞くこど。
③に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
Câu 43: 問題3次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、(1)から(5)の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
わが国では一般に、日本人が外国語を話せないのは、教育の技術が悪いからだと信じられている。はたして..①..。確かに教育にも問題があろう。しかし、たとえばつぎの四点を実行..②..、どんなに「会話」がうまくても、国際的な場所では傾聴(注)されないだろう。
(1)自分の考えを論理的に表現する..③..
(2)遠慮せず議論に割りこむ..③..
(3)他の人とひと味違った発言をする..③..
(4)五分に一度は聴衆を笑わす..③..
この四点は考えようによっては、外国語を話すよりも難しい。..④..わが国では、語るには情をもってし、つねに控え目で、皆と同じことを行い、まじめでふざけないことが評価され、美徳とされているからだ。
こう考えてみると、日本人の外国語下手は、教育技術の問題というよりは、もっと深い文化の問題..⑤..と思うのである。
(小林善彦「なぜ下手か日本人の外国語」1992年8月21日付朝日新聞タ刊による)
(注)傾聴・真剣に聞くこど。
④に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A. それなら
B. したがって
C. このため
D. なぜならば
Câu 44: 問題3次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、(1)から(5)の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
わが国では一般に、日本人が外国語を話せないのは、教育の技術が悪いからだと信じられている。はたして..①..。確かに教育にも問題があろう。しかし、たとえばつぎの四点を実行..②..、どんなに「会話」がうまくても、国際的な場所では傾聴(注)されないだろう。
(1)自分の考えを論理的に表現する..③..
(2)遠慮せず議論に割りこむ..③..
(3)他の人とひと味違った発言をする..③..
(4)五分に一度は聴衆を笑わす..③..
この四点は考えようによっては、外国語を話すよりも難しい。..④..わが国では、語るには情をもってし、つねに控え目で、皆と同じことを行い、まじめでふざけないことが評価され、美徳とされているからだ。
こう考えてみると、日本人の外国語下手は、教育技術の問題というよりは、もっと深い文化の問題..⑤..と思うのである。
(小林善彦「なぜ下手か日本人の外国語」1992年8月21日付朝日新聞タ刊による)
(注)傾聴・真剣に聞くこど。
⑤に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A. ではないか
B. であるべきか
C. ではない
D. であるべきだ
Câu 45: 読解
問題1次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、以下の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
大人になっても、味覚は変わり続ける。二十代の血気盛んな頃、すき焼き鍋などを囲むと、肉ばかり食べている私を見て、「私たちはもう沢山。年をとると、キノコや野菜が一番おいしい」などと半ば私を、半ば自分自身を諭すかのように言う年長者がいた。なるほど、私も、最近では肉の味のしみた野菜やキノコがおいしい。一方で、肉も相変わらず食べる。年長者だって、肉を食べなくなるわけではない。 (茂木健一郎 『食のクオリア』による) 1.食べることに関して筆者はどのように感じているか。
A. 若い頃肉が好きでよく食べた人も、年をとると食べ物の好みが変わる。
B. 人は年齢を重ねるにつれて、野菜も肉も食べる量が少なくなってくる。
C. 二十代の頃は肉よりも味のしみたキノコや野菜を好んで食べる人が多い。
D. 年長者は肉と野菜を片寄りなく半分ずつ食べたほうがいいと思っている。
Câu 46: 相手を思いやる気持ち、これも、「あいさつ」の心にちがいありません。先年、アフリカへ行ったとき、タンザニアで聞いたことですが、現也の人たちが道で知人とあいさつを交わすとき、おたがいに家族の安否をたずねますが、たとえ自分の家族に病人がいても、それを口に出さないのが暗黙のルールになっているのだそうです。相手の気持ちに負担をかけまいとする心からです。
(川崎洋 『ことばの力』による)
A. 安否をたずねる際には、ことばを口に出さないこと
B. あいさつを交わすときは、まず安否をたずねること
C. あいさつのとき、家族の病気のことは言わないこと
D. 病気の人がいる家族とはあいさつを交わさないこと
Câu 47: 毎年、花の種を蒔いたり、球根を植えたりする季節が近づくと、種苗を扱う農園から、色刷りのカタログが送られてくる。私には植物を実際に取り寄せて植える土地などはないから、それを眺めて空想庭園を楽しむのである。しかし、それらの誇らしげに咲いている花の見合い写真を次々に見ていくと、連中(注1)が一様にある傾向を有していることに嫌でも気がつく。つまり、すべての花を「品種改良」によって、より大輪(注2)にし、そして何でもかでも八重咲に造りかえてしまおうという、人間の趣味と努力と一種の意地がそこに反映しているのである。
(奥本大三郎 『虫の宇宙誌』による)
(注1)連中:ここでは、花のこと
(注2)大輪:花の大きさが普通よりも大きいこと
(注3)八重咲:花びらが数多く重なっていること
A. 品種改良されていない花
B. カタログに掲載されている花
C. 筆者が取り寄せたいと思った花
D. 筆者が空想している庭園の花
Câu 48: 生きものは危機と遭遇しそれを乗り切ることで進化してきました。人間社会も同じです。環境変化による影響を受けにくけるため、私たちの祖先は集団生活を始め、都市を築き文明を育ててきました。協調が社会の基本にありよす。文明の初期段階では、生き延びるため、皆が協調します。しかし、生存が既定のものと思うようになると、自分さえよければいいという自己利益の最大化に走ります。結果は滅亡です。
(日本経済新聞二〇一〇年三月八日付朝刊による)
A. 環境の変化に関係なく、協調性より自己利益を追求する
B. 生命の危機がなくなると、他者との協調性が薄れる
C. 文明が発展するにつれて、協調性が生まれる
D. 協調性を育てるために、集団生活をする
Câu 49: 問題2次の(1)から(5)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
定年に備えた企業の研修資料に<「自分」―「仕事」=?>とあるのを見て、会社一筋に働いてきた人には厳しい設問だなあ、と思ったことがある。
事実、会社人間だった大阪の友人はこの設問に「ゼロや」と苦笑して、定年後の近況を話す。
「女房が出掛けようとすると、(注)ワシも行くと言うもんやから、すっかり嫌がられてるよ」
こういう定年亭主を「恐怖のワシも族」と言うのだそうだが、今やさぞかし①「ワシも族」がはびこっていることだろうと思いきや、ニッセイ基礎研究所の「定年前・定年後」という本にこんな調査結果が収められていた。
数字は省くが、仕事に生きがいを持っていた人のほうが、そうでない人より定年後の社会活動にもずっと生きがいを感じているという内容で、要するに、会社人間ほど定年後も意欲的という分析だ。
彼らの社会活動の生きがいは、交友関係の広がりによって生まれているようで、植木職人になったり、NPOやボランティア、地域活動に携わっている元銀行員をはじめ、多種多様なケースがいろいろ紹介されている。
以前、あれは有力銀行の支店長であったか、定年退職した途端、年賀状も激減するなど一変した状況に喪失感を覚え、自ら命を絶ったという話を聞いたことがある。
これなどは極端なケースだとしても、<「会社」のために頑張る価値観は、「社会」のために頑張る価値観と合致するかもしれない>と分析される先の調査結果などは、会社人間の「その後」に②新しい視点をもたらすものだろう。
(近藤勝重「しあわせのトンボ:会社人間の『その後』」 2007年11月14日付毎日新聞夕刊による)
(注)ワシ:わたし
1. 筆者の友人が、<「自分」―「仕事」=?>という設問に「ゼロや」と答えたそうだが、それはどのような意味か。
A. その友人はこれまで一つの仕事しかしてこなかったので、ほかの仕事は全然できないという意味
B. その友人は仕事一筋に生きてきたので、これからも家族と一緒に何かしようとは考えていないという意味
C. その友人は生活のすべてを仕事中心に送ってきたので、定年後は何もすることがないという意味
D. その友人は定年後に生きがいを見つけ、会社生活で得たものはゼロだったと感じているという意味
Câu 50: 問題2次の(1)から(5)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
定年に備えた企業の研修資料に<「自分」―「仕事」=?>とあるのを見て、会社一筋に働いてきた人には厳しい設問だなあ、と思ったことがある。
事実、会社人間だった大阪の友人はこの設問に「ゼロや」と苦笑して、定年後の近況を話す。
「女房が出掛けようとすると、(注)ワシも行くと言うもんやから、すっかり嫌がられてるよ」
こういう定年亭主を「恐怖のワシも族」と言うのだそうだが、今やさぞかし①「ワシも族」がはびこっていることだろうと思いきや、ニッセイ基礎研究所の「定年前・定年後」という本にこんな調査結果が収められていた。
数字は省くが、仕事に生きがいを持っていた人のほうが、そうでない人より定年後の社会活動にもずっと生きがいを感じているという内容で、要するに、会社人間ほど定年後も意欲的という分析だ。
彼らの社会活動の生きがいは、交友関係の広がりによって生まれているようで、植木職人になったり、NPOやボランティア、地域活動に携わっている元銀行員をはじめ、多種多様なケースがいろいろ紹介されている。
以前、あれは有力銀行の支店長であったか、定年退職した途端、年賀状も激減するなど一変した状況に喪失感を覚え、自ら命を絶ったという話を聞いたことがある。
これなどは極端なケースだとしても、<「会社」のために頑張る価値観は、「社会」のために頑張る価値観と合致するかもしれない>と分析される先の調査結果などは、会社人間の「その後」に②新しい視点をもたらすものだろう。
(近藤勝重「しあわせのトンボ:会社人間の『その後』」 2007年11月14日付毎日新聞夕刊による)
(注)ワシ:わたし
2. ①「ワシも族」とは、どのような人たちのことか。
A. 奥さんが何かしようとすると、なんでも一緒にしたがる定年後の夫
B. 奥さんばかりでなく、家族の皆からも嫌がられている定年後の父親
C. 会社に出かけて行くよりも、家で奥さんと一緒にいるのが好きな夫
D. 定年退職後、自ら進んで家事や社会活動に積極的に参加したがる夫
Câu 51: 問題2次の(1)から(5)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
定年に備えた企業の研修資料に<「自分」―「仕事」=?>とあるのを見て、会社一筋に働いてきた人には厳しい設問だなあ、と思ったことがある。
事実、会社人間だった大阪の友人はこの設問に「ゼロや」と苦笑して、定年後の近況を話す。
「女房が出掛けようとすると、(注)ワシも行くと言うもんやから、すっかり嫌がられてるよ」
こういう定年亭主を「恐怖のワシも族」と言うのだそうだが、今やさぞかし①「ワシも族」がはびこっていることだろうと思いきや、ニッセイ基礎研究所の「定年前・定年後」という本にこんな調査結果が収められていた。
数字は省くが、仕事に生きがいを持っていた人のほうが、そうでない人より定年後の社会活動にもずっと生きがいを感じているという内容で、要するに、会社人間ほど定年後も意欲的という分析だ。
彼らの社会活動の生きがいは、交友関係の広がりによって生まれているようで、植木職人になったり、NPOやボランティア、地域活動に携わっている元銀行員をはじめ、多種多様なケースがいろいろ紹介されている。
以前、あれは有力銀行の支店長であったか、定年退職した途端、年賀状も激減するなど一変した状況に喪失感を覚え、自ら命を絶ったという話を聞いたことがある。
これなどは極端なケースだとしても、<「会社」のために頑張る価値観は、「社会」のために頑張る価値観と合致するかもしれない>と分析される先の調査結果などは、会社人間の「その後」に②新しい視点をもたらすものだろう。
(近藤勝重「しあわせのトンボ:会社人間の『その後』」 2007年11月14日付毎日新聞夕刊による)
(注)ワシ:わたし
3. ②新しい視点をもたらすとは、どのようなことか。
A. 退職後には多種多様な仕事の選択肢があるから明るいと感じること
B. 会社中心に過ごしてきた人ほど、家での仕事に積極的になれること
C. 会社人間ほど定年後の社会活動に意欲的であるととらえられること
D. 定年後に生きがいがない人でも、社会的な活動には期待できること
Câu 52: 技術者にとってレース車を開発するというのは、非常に魅力があるようなのだ。
それはそうだろう。市販車の開発であれば、コストのことや工場のことを考えなければいけないので、自分の考え出した創意工夫を必ずしも反映できるわけではない。いいモデルを出したからといって、営業の力が弱ければ売れるとは限らない(少なくとも、多くの開発技術者はそう思って(注1)は歯軋りをしているに違いない)。しかし、レース車であれば、ある程度、採算無視で色んなことにトライできる。何よりも、営業力とか他の要素に邪魔されることなく、①どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるわけだ。
逆にいうと、言い訳のない世界でもある。敵よりコンマ1秒でも遅れをとれば負けるのだ。そして、それは、はっきりとその場で目に見える。(中略)
目標設定も単純だ。市販車開発なら、時にはアメリカとおう欧州の両市場で売れる車を作ってくれると営業から要求されたりする。そこでは技術的に妥協せざるを得ないが、レースは絶対的な速さだけを目指せばいいのだ。その代わり、自分の実力が今どうであれ、敵の車が75秒で(注2)サーキットを1周していれば、それより速いタイムで走る車をつくらないと意味がないのだ。②出来る、出来ないを論じる余地は全くない。また、お分かりのように、他チームの車の真似だけをしていれば、決して「最速」にはならないのも真実なのだ。
(田中詔一『ホンダの価値観―原点から守り続けるDNA』による)
(注1)は歯ぎし軋りをする:ここでは、悔しく思う
(注2)サーキット:レース用のコース
1. ①どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるとあるが、なぜか
A. 創意工夫する力さえあれば売れる車がつくれるから
B. 性能さえよければ採算のとれるレース車がつくれるから
C. 営業力に邪魔されずに価格で勝負できる車がつくれるから
D. コストなどの要素に影響されずにレースで競える車がつくれるから
Câu 53: 技術者にとってレース車を開発するというのは、非常に魅力があるようなのだ。
それはそうだろう。市販車の開発であれば、コストのことや工場のことを考えなければいけないので、自分の考え出した創意工夫を必ずしも反映できるわけではない。いいモデルを出したからといって、営業の力が弱ければ売れるとは限らない(少なくとも、多くの開発技術者はそう思って(注1)は歯軋りをしているに違いない)。しかし、レース車であれば、ある程度、採算無視で色んなことにトライできる。何よりも、営業力とか他の要素に邪魔されることなく、①どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるわけだ。
逆にいうと、言い訳のない世界でもある。敵よりコンマ1秒でも遅れをとれば負けるのだ。そして、それは、はっきりとその場で目に見える。(中略)
目標設定も単純だ。市販車開発なら、時にはアメリカとおう欧州の両市場で売れる車を作ってくれると営業から要求されたりする。そこでは技術的に妥協せざるを得ないが、レースは絶対的な速さだけを目指せばいいのだ。その代わり、自分の実力が今どうであれ、敵の車が75秒で(注2)サーキットを1周していれば、それより速いタイムで走る車をつくらないと意味がないのだ。②出来る、出来ないを論じる余地は全くない。また、お分かりのように、他チームの車の真似だけをしていれば、決して「最速」にはならないのも真実なのだ。
(田中詔一『ホンダの価値観―原点から守り続けるDNA』による)
(注1)は歯ぎし軋りをする:ここでは、悔しく思う
(注2)サーキット:レース用のコース
2. ②出来る、出来ないとあるが、何が出来る、出来ないのか。
A. 自社の最高タイムを次のレースで上回ること
B. 技術的に妥協するしかない場合には妥協すること
C. ライバル社より少しでも速く走れる車をつくること
D. アメリカやおう欧しゅう州のレースでいい成績をおさめること
Câu 54: 技術者にとってレース車を開発するというのは、非常に魅力があるようなのだ。
それはそうだろう。市販車の開発であれば、コストのことや工場のことを考えなければいけないので、自分の考え出した創意工夫を必ずしも反映できるわけではない。いいモデルを出したからといって、営業の力が弱ければ売れるとは限らない(少なくとも、多くの開発技術者はそう思って(注1)は歯軋りをしているに違いない)。しかし、レース車であれば、ある程度、採算無視で色んなことにトライできる。何よりも、営業力とか他の要素に邪魔されることなく、①どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるわけだ。
逆にいうと、言い訳のない世界でもある。敵よりコンマ1秒でも遅れをとれば負けるのだ。そして、それは、はっきりとその場で目に見える。(中略)
目標設定も単純だ。市販車開発なら、時にはアメリカとおう欧州の両市場で売れる車を作ってくれると営業から要求されたりする。そこでは技術的に妥協せざるを得ないが、レースは絶対的な速さだけを目指せばいいのだ。その代わり、自分の実力が今どうであれ、敵の車が75秒で(注2)サーキットを1周していれば、それより速いタイムで走る車をつくらないと意味がないのだ。②出来る、出来ないを論じる余地は全くない。また、お分かりのように、他チームの車の真似だけをしていれば、決して「最速」にはならないのも真実なのだ。
(田中詔一『ホンダの価値観―原点から守り続けるDNA』による)
(注1)は歯ぎし軋りをする:ここでは、悔しく思う
(注2)サーキット:レース用のコース
3. この文章によると、レース車の開発は、技術者にとってなぜ魅力的なのか。
A. 高い技術力が示せれば世界で認められるから
B. 自社が持っている技術力の高さを証明できるから
C. 明確な目標に向かって開発だけに集中できるから
D. 開発者としての実力が大メーカーからも評価されるから
Câu 55: わが国の文章の書き手として、想像・想像するという言葉をもっともよく使ったのは、おそらく柳田国男であろう。民衆に伝えられる生活の慣習、用具などに残る手がかりをつうじて、なつかしい(注1)こ古そう層へとたどるみんぞく民俗学の、わが国での開拓者として、柳田にはこの言葉がきわめてたいせつなものであった。
柳田は、それと空想・空想するという言葉とを区別しようとした。その文章の執筆の時期や、あつかう対象、また語りかける相手のちがいにつれて、柳田の行なった空想・空想すると、想像・想像するの区別には、いかにもはっきりしている際と、そうでない場合がある。しかし後の場合も、空想・空想することをしだいに正確にしてゆけば、想像・想像するにいたるという、段階的なつながりにおいて――(注2)あい接し、境界がぼやけていることはあるにしても、その上辺と下辺では、ちがいがはっきりしている、という仕方で――使われている。
具体的な根拠のない、あるいはあってもあいまいなものにたって行なうこ古そう層への心の動きを、空想・空想するとし、よりはっきりした根拠にたつ、しっかりした心の働きを、想像・想像するとして、柳田は使いわけているのである。そこで時には、やや、、とか、あきらかに、、、、、とかいう限定辞をかぶせねばならぬのではあるが、空想・空想するには、人間の心の働きとして、マイナス・消極的評価のしるし、、、がついており、想像・想像するは、プラス・積極的評価のしるし、、、がついている。
(大江健三郎『新しい文学のために』による)
(注1)こ古そう層:ここでは、古い時代
(注2)あい接し:互いに接し
1. 柳田が使う「空想・空想する」と「想像・想像する」にはどのような関係があると筆者は考えているか。
A. 互いに似ている部分があるが、「空想・空想する」から「想像・想像する」に変わることはない。
B. 全く異なるものであり、「空想・空想する」と「想像・想像する」との境界ははっきりしている。
C. 両極も境もぼやけていて、「空想・空想する」と「想像・想像する」との境界ははっきりしない。
D. 両極は明確だが境はぼやけていて、「空想・空想する」から「想像・想像する」に変わることがある。
Câu 56: わが国の文章の書き手として、想像・想像するという言葉をもっともよく使ったのは、おそらく柳田国男であろう。民衆に伝えられる生活の慣習、用具などに残る手がかりをつうじて、なつかしい(注1)こ古そう層へとたどるみんぞく民俗学の、わが国での開拓者として、柳田にはこの言葉がきわめてたいせつなものであった。
柳田は、それと空想・空想するという言葉とを区別しようとした。その文章の執筆の時期や、あつかう対象、また語りかける相手のちがいにつれて、柳田の行なった空想・空想すると、想像・想像するの区別には、いかにもはっきりしている際と、そうでない場合がある。しかし後の場合も、空想・空想することをしだいに正確にしてゆけば、想像・想像するにいたるという、段階的なつながりにおいて――(注2)あい接し、境界がぼやけていることはあるにしても、その上辺と下辺では、ちがいがはっきりしている、という仕方で――使われている。
具体的な根拠のない、あるいはあってもあいまいなものにたって行なうこ古そう層への心の動きを、空想・空想するとし、よりはっきりした根拠にたつ、しっかりした心の働きを、想像・想像するとして、柳田は使いわけているのである。そこで時には、やや、、とか、あきらかに、、、、、とかいう限定辞をかぶせねばならぬのではあるが、空想・空想するには、人間の心の働きとして、マイナス・消極的評価のしるし、、、がついており、想像・想像するは、プラス・積極的評価のしるし、、、がついている。
(大江健三郎『新しい文学のために』による)
(注1)こ古そう層:ここでは、古い時代
(注2)あい接し:互いに接し
2. 柳田が「空想・空想する」という言葉を使うのはどのようなときだと筆者は考えているか。
A. はっきりしないものをもとに古い時代を考えるとき
B. はっきりしたものを根拠に古い時代をたどるとき
C. 現代に残されている手がかりから過去をたどるとき
D. 過去の出来事を手がかりに現代を考えるとき
Câu 57: わが国の文章の書き手として、想像・想像するという言葉をもっともよく使ったのは、おそらく柳田国男であろう。民衆に伝えられる生活の慣習、用具などに残る手がかりをつうじて、なつかしい(注1)こ古そう層へとたどるみんぞく民俗学の、わが国での開拓者として、柳田にはこの言葉がきわめてたいせつなものであった。
柳田は、それと空想・空想するという言葉とを区別しようとした。その文章の執筆の時期や、あつかう対象、また語りかける相手のちがいにつれて、柳田の行なった空想・空想すると、想像・想像するの区別には、いかにもはっきりしている際と、そうでない場合がある。しかし後の場合も、空想・空想することをしだいに正確にしてゆけば、想像・想像するにいたるという、段階的なつながりにおいて――(注2)あい接し、境界がぼやけていることはあるにしても、その上辺と下辺では、ちがいがはっきりしている、という仕方で――使われている。
具体的な根拠のない、あるいはあってもあいまいなものにたって行なうこ古そう層への心の動きを、空想・空想するとし、よりはっきりした根拠にたつ、しっかりした心の働きを、想像・想像するとして、柳田は使いわけているのである。そこで時には、やや、、とか、あきらかに、、、、、とかいう限定辞をかぶせねばならぬのではあるが、空想・空想するには、人間の心の働きとして、マイナス・消極的評価のしるし、、、がついており、想像・想像するは、プラス・積極的評価のしるし、、、がついている。
(大江健三郎『新しい文学のために』による)
(注1)こ古そう層:ここでは、古い時代
(注2)あい接し:互いに接し
3. 柳田が「想像・想像する」という言葉を使うのはどのようなときだと筆者は考えているか。
A. 古い時代の民衆の心を伝えるとき
B. 人間の心の働きを積極的に評価するとき
C. あいまいなイメージをはっきりさせるとき
D. 明確な根拠にもとづく心の働きを表すとき
Câu 58: 理系の文章は明確な目的を持っている場合が多いので、その目的に応じて読者は文章を読む。このため、目的に合致した文章は満足感を読者に与える。たとえば、「東京都の交通渋滞に関する調査報告書」はそれを知りたい人が読み、その内容が過不足なく記述されていれば100点の評価となる。調査内容が不十分であれば評価は下がり、満足感は少なくなる。
しかし、もし著者と読者のあいだで、その文章を媒体として記述されていること以上の事柄が発見できれば、読者にとって最高の満足感となる。言い換えると、読者が新しい知識を発見する喜びを支援する、あるいはそのきっかけとなる文章こそが、100点以上の評価となる。それは著者と読者の①シナジー効果(二つのものから、それらの合計以上のものが生み出される効果)であり、それをもたらすには、著者は常に読者を意識し、読者とともに問題の解決にあたるという姿勢を持つことで文章に磨きがかかる。
いくら仕事や理系の文章だからといって「AはBだ、覚えておけ」という姿勢の文章では読者の満足感は少ない。むしろ、読者は自分の無知を知り、自己嫌悪に陥り、一方、著者への親近感はなくなり、読む気がしなくなる。文章の目的を達成するために大事なことは、読者が最後まで読んでくれることである。いくら素晴らしい内容が書かれていても、読者が読む気のしない文章は目的を果たすことができない。
学生のレポートで、②それが一番よくわかる。なにしろ提出数が多いので、すべてを完全に理解しようとして読むことは不可能である。結局、最初の数行を読んで、あるいは全体を見渡して、読む気が起こるかどうかが評価に大いに影響する。これは、上司に提出する企画書や、(注1)コンペに応募する提案書などでもまったく同じである。
その意味で、人の読む気を誘う文章であるかどうかは重要である。では、読む気とは何か。それこそがシナジー効果である。
(中略)
読者が自力で新しいことを発見することの支援はなかなか難しい。むしろ、
自分の思考過程を深く分析し、読者と一緒に考えようという姿勢を持つことが最も重要である。読者に与える完全な解答はなくても、解答に向かうひたむきな姿勢を示すことができれば良いのだということである。言い換えれば、ごまかしがなく、技巧を(注2)
弄もてあそばず、大げさにいえば著者の人生観を示すことで、真実に迫ろうという書き手の気持ちが読者に通じるのである。仕事の文章や理系の文章は、一般にはこういう行間の意味は不要と考えられているが、それではの教科書文章となり、人の心に届かない。いくら人の③脳に届いても、心に届かないものは読む気がしなくなり、結局、読者の脳にも届かなくなる。
(三木光範『理系発想の文章術』による)
(注1)コンペ:ここでは、仕事の依頼先を選ぶために企画を競争させるもの
(注2)弄もてあそぶ:ここでは、必要でないのにむやみに使う
(注3)無む味み乾かん燥そうの:味わいがなくてつまらない
1. ①シナジー効果とあるが、読者にとってのシナジー効果とはどのようなものか。
A. 記述されている内容から、求めていた以上のことが得られる。
B. 著者が伝えようとしている事柄を理解し、知識を増やす。
C. 読むことを通して事実を知り、不十分な点を自覚する。
D. 文章から足りない知識を補い、疑問を解消する。
Câu 59: 理系の文章は明確な目的を持っている場合が多いので、その目的に応じて読者は文章を読む。このため、目的に合致した文章は満足感を読者に与える。たとえば、「東京都の交通渋滞に関する調査報告書」はそれを知りたい人が読み、その内容が過不足なく記述されていれば100点の評価となる。調査内容が不十分であれば評価は下がり、満足感は少なくなる。
しかし、もし著者と読者のあいだで、その文章を媒体として記述されていること以上の事柄が発見できれば、読者にとって最高の満足感となる。言い換えると、読者が新しい知識を発見する喜びを支援する、あるいはそのきっかけとなる文章こそが、100点以上の評価となる。それは著者と読者の①シナジー効果(二つのものから、それらの合計以上のものが生み出される効果)であり、それをもたらすには、著者は常に読者を意識し、読者とともに問題の解決にあたるという姿勢を持つことで文章に磨きがかかる。
いくら仕事や理系の文章だからといって「AはBだ、覚えておけ」という姿勢の文章では読者の満足感は少ない。むしろ、読者は自分の無知を知り、自己嫌悪に陥り、一方、著者への親近感はなくなり、読む気がしなくなる。文章の目的を達成するために大事なことは、読者が最後まで読んでくれることである。いくら素晴らしい内容が書かれていても、読者が読む気のしない文章は目的を果たすことができない。
学生のレポートで、②それが一番よくわかる。なにしろ提出数が多いので、すべてを完全に理解しようとして読むことは不可能である。結局、最初の数行を読んで、あるいは全体を見渡して、読む気が起こるかどうかが評価に大いに影響する。これは、上司に提出する企画書や、(注1)コンペに応募する提案書などでもまったく同じである。
その意味で、人の読む気を誘う文章であるかどうかは重要である。では、読む気とは何か。それこそがシナジー効果である。
(中略)
読者が自力で新しいことを発見することの支援はなかなか難しい。むしろ、
自分の思考過程を深く分析し、読者と一緒に考えようという姿勢を持つことが最も重要である。読者に与える完全な解答はなくても、解答に向かうひたむきな姿勢を示すことができれば良いのだということである。言い換えれば、ごまかしがなく、技巧を(注2)
弄もてあそばず、大げさにいえば著者の人生観を示すことで、真実に迫ろうという書き手の気持ちが読者に通じるのである。仕事の文章や理系の文章は、一般にはこういう行間の意味は不要と考えられているが、それではの教科書文章となり、人の心に届かない。いくら人の③脳に届いても、心に届かないものは読む気がしなくなり、結局、読者の脳にも届かなくなる。
(三木光範『理系発想の文章術』による)
(注1)コンペ:ここでは、仕事の依頼先を選ぶために企画を競争させるもの
(注2)弄もてあそぶ:ここでは、必要でないのにむやみに使う
(注3)無む味み乾かん燥そうの:味わいがなくてつまらない
2. ②それが一番よくわかるとあるが、何が一番よくわかるのか。
A. 読み手に満足感を与えるのは難しいということ
B. 素晴らしい内容でなければ読んでもらえないこと
C. 読む気がしないものは終わりまで読んでもらえないこと
D. 読んですべてを理解してもらうことは不可能だということ
Câu 60: 理系の文章は明確な目的を持っている場合が多いので、その目的に応じて読者は文章を読む。このため、目的に合致した文章は満足感を読者に与える。たとえば、「東京都の交通渋滞に関する調査報告書」はそれを知りたい人が読み、その内容が過不足なく記述されていれば100点の評価となる。調査内容が不十分であれば評価は下がり、満足感は少なくなる。
しかし、もし著者と読者のあいだで、その文章を媒体として記述されていること以上の事柄が発見できれば、読者にとって最高の満足感となる。言い換えると、読者が新しい知識を発見する喜びを支援する、あるいはそのきっかけとなる文章こそが、100点以上の評価となる。それは著者と読者の①シナジー効果(二つのものから、それらの合計以上のものが生み出される効果)であり、それをもたらすには、著者は常に読者を意識し、読者とともに問題の解決にあたるという姿勢を持つことで文章に磨きがかかる。
いくら仕事や理系の文章だからといって「AはBだ、覚えておけ」という姿勢の文章では読者の満足感は少ない。むしろ、読者は自分の無知を知り、自己嫌悪に陥り、一方、著者への親近感はなくなり、読む気がしなくなる。文章の目的を達成するために大事なことは、読者が最後まで読んでくれることである。いくら素晴らしい内容が書かれていても、読者が読む気のしない文章は目的を果たすことができない。
学生のレポートで、②それが一番よくわかる。なにしろ提出数が多いので、すべてを完全に理解しようとして読むことは不可能である。結局、最初の数行を読んで、あるいは全体を見渡して、読む気が起こるかどうかが評価に大いに影響する。これは、上司に提出する企画書や、(注1)コンペに応募する提案書などでもまったく同じである。
その意味で、人の読む気を誘う文章であるかどうかは重要である。では、読む気とは何か。それこそがシナジー効果である。
(中略)
読者が自力で新しいことを発見することの支援はなかなか難しい。むしろ、
自分の思考過程を深く分析し、読者と一緒に考えようという姿勢を持つことが最も重要である。読者に与える完全な解答はなくても、解答に向かうひたむきな姿勢を示すことができれば良いのだということである。言い換えれば、ごまかしがなく、技巧を(注2)
弄もてあそばず、大げさにいえば著者の人生観を示すことで、真実に迫ろうという書き手の気持ちが読者に通じるのである。仕事の文章や理系の文章は、一般にはこういう行間の意味は不要と考えられているが、それではの教科書文章となり、人の心に届かない。いくら人の③脳に届いても、心に届かないものは読む気がしなくなり、結局、読者の脳にも届かなくなる。
(三木光範『理系発想の文章術』による)
(注1)コンペ:ここでは、仕事の依頼先を選ぶために企画を競争させるもの
(注2)弄もてあそぶ:ここでは、必要でないのにむやみに使う
(注3)無む味み乾かん燥そうの:味わいがなくてつまらない
3. ③脳に届いても、心に届かないとはどういうことか。
A. 技巧には感心しても、内容には共感できない。
B. 行間の意味は理解できても、内容には感動できない。
C. 書き手の姿勢は理解できても、気迫までは感じられない。
D. 内容は理解できても、書き手の気持ちは伝わってこない。
Câu 61: 理系の文章は明確な目的を持っている場合が多いので、その目的に応じて読者は文章を読む。このため、目的に合致した文章は満足感を読者に与える。たとえば、「東京都の交通渋滞に関する調査報告書」はそれを知りたい人が読み、その内容が過不足なく記述されていれば100点の評価となる。調査内容が不十分であれば評価は下がり、満足感は少なくなる。
しかし、もし著者と読者のあいだで、その文章を媒体として記述されていること以上の事柄が発見できれば、読者にとって最高の満足感となる。言い換えると、読者が新しい知識を発見する喜びを支援する、あるいはそのきっかけとなる文章こそが、100点以上の評価となる。それは著者と読者の①シナジー効果(二つのものから、それらの合計以上のものが生み出される効果)であり、それをもたらすには、著者は常に読者を意識し、読者とともに問題の解決にあたるという姿勢を持つことで文章に磨きがかかる。
いくら仕事や理系の文章だからといって「AはBだ、覚えておけ」という姿勢の文章では読者の満足感は少ない。むしろ、読者は自分の無知を知り、自己嫌悪に陥り、一方、著者への親近感はなくなり、読む気がしなくなる。文章の目的を達成するために大事なことは、読者が最後まで読んでくれることである。いくら素晴らしい内容が書かれていても、読者が読む気のしない文章は目的を果たすことができない。
学生のレポートで、②それが一番よくわかる。なにしろ提出数が多いので、すべてを完全に理解しようとして読むことは不可能である。結局、最初の数行を読んで、あるいは全体を見渡して、読む気が起こるかどうかが評価に大いに影響する。これは、上司に提出する企画書や、(注1)コンペに応募する提案書などでもまったく同じである。
その意味で、人の読む気を誘う文章であるかどうかは重要である。では、読む気とは何か。それこそがシナジー効果である。
(中略)
読者が自力で新しいことを発見することの支援はなかなか難しい。むしろ、
自分の思考過程を深く分析し、読者と一緒に考えようという姿勢を持つことが最も重要である。読者に与える完全な解答はなくても、解答に向かうひたむきな姿勢を示すことができれば良いのだということである。言い換えれば、ごまかしがなく、技巧を(注2)
弄もてあそばず、大げさにいえば著者の人生観を示すことで、真実に迫ろうという書き手の気持ちが読者に通じるのである。仕事の文章や理系の文章は、一般にはこういう行間の意味は不要と考えられているが、それではの教科書文章となり、人の心に届かない。いくら人の③脳に届いても、心に届かないものは読む気がしなくなり、結局、読者の脳にも届かなくなる。
(三木光範『理系発想の文章術』による)
(注1)コンペ:ここでは、仕事の依頼先を選ぶために企画を競争させるもの
(注2)弄もてあそぶ:ここでは、必要でないのにむやみに使う
(注3)無む味み乾かん燥そうの:味わいがなくてつまらない
4. 理系の文章の書き手はどのような姿勢を持つべきだと筆者は述べているか。
A. 読者の読む目的を分析し、読者に過不足のない情報を与えようとする。
B. 読者を意識しつつ、しん真し摯に解答を求めてその気持ちを伝えようとする。
C. 読者に満足感を与えるよう、妥協せずに完全な解答を提供しようとする。
D. 読者の読む気を最後まで誘うよう、読者の思考過程を深く分析しようとする。
Câu 62: うちの犬は頭がよくなけれどむやみにほ吠えない。これは犬種の性格である。もうひとつ、絶対にか嚙みつかない。これは訓練士に仕込まれた成果である。大きな犬なので幼児にか嚙みついたら事件になってしまう。
訓練士は二十代の女性でスクーターに乗ってやってきた。訓練時間は週に4回、各30分である。半年近く経っても訓練が終わらないので、いつになったら卒業できるんですか、とたず訊ねた。家庭内での序列がはっきりしたら、と説明する。序列ねえ、どういうことかな、とさらに質問すると、①お宅の坊ちゃんがまだ……。
十年前なので息子は小学生である。体格的にも犬と息子に差がない。うちの犬はまず僕、つぎに妻と気の強い娘に(注1)降参したのだ。だが息子は軟体動物のようにふにゃらふにゃらとしている。寝てばかりいる。起きてもあくびばかりしている。両者は最下位争いを演じたまま(注2)四つに組んで決着がつかないらしい。
動物は序列に敏感なのだ。(中略)
女性の訓練士が説明した。犬をかわいがっているつもりで甘やかし、②腕をがぶりとか嚙みつかれた飼い主がいた。甘やかせばつけ上がるだけ、自分が主人と信じ込んで飼い主をなめた結果である。動物はつねに威嚇しながら序列を確認しているから、仲間同士は本気でけん喧か嘩をしない。相手が強い、とわかれば争わない。けん喧か嘩したら互いに傷つき、厳しい自然界では生き残れないから。
さすがに血のめぐりの悪いわが家の犬も、ある日、息子にゴツンと頭をたた叩かれ、最下位が確定、平和的にす棲み分けが決まり、予算オーバーの訓練は終了した。
動物から教訓を得たわけではないが、家庭内でもタテマエとしての序列がないと混乱がはじまる。おや親じ父の権威の喪失が取り返しのつかないところまできたのは(注3)家父長制を否定しすぎた結果でもある。戦前は長子相続で、次男以下は相続権がなく女性にいたってはその他大勢の扱い、ひどいものだった。そういう状態を復活せよ、と述べているのではない。
職場で女性がもっと管理職に進出できる環境は整えたほうがよいし、僕の経験からして共働きには賛成である。家事も分担したほうがよい。③だが男女平等をはきちがえてはいけない。家庭は動物の巣に似た面がある。権威としての父性、(注4)包容力の母性まで削り取ってはいけない。父親は筋肉質でひげ髯をはやし、母親には柔らかな肌とやさしい笑顔があるように、それらしく演じ分けたほうがよい。頻発する家庭内暴力が役割構造の喪失と無縁ではないからである。
(猪瀬直樹「家」1999年9月26日付朝日新聞朝刊による)
(注1)降参する:負ける
(注2)四つに組む:しっかり向き合って闘うこと
(注3)家父長制:男性の年長者が家族を支配するという制度
(注4)包容力:相手を寛大な気持ちで受け止める力
1. ①お宅の坊ちゃんがまだ……とあるが、「まだ」の後に続く言葉はどれか。
A. 小学生で、犬の訓練が苦手ですから
B. 序列が犬より上になっていませんから
C. 小学生で、訓練が終わっていませんから
D. きょうだいの序列を理解していませんから
Câu 63: うちの犬は頭がよくなけれどむやみにほ吠えない。これは犬種の性格である。もうひとつ、絶対にか嚙みつかない。これは訓練士に仕込まれた成果である。大きな犬なので幼児にか嚙みついたら事件になってしまう。
訓練士は二十代の女性でスクーターに乗ってやってきた。訓練時間は週に4回、各30分である。半年近く経っても訓練が終わらないので、いつになったら卒業できるんですか、とたず訊ねた。家庭内での序列がはっきりしたら、と説明する。序列ねえ、どういうことかな、とさらに質問すると、①お宅の坊ちゃんがまだ……。
十年前なので息子は小学生である。体格的にも犬と息子に差がない。うちの犬はまず僕、つぎに妻と気の強い娘に(注1)降参したのだ。だが息子は軟体動物のようにふにゃらふにゃらとしている。寝てばかりいる。起きてもあくびばかりしている。両者は最下位争いを演じたまま(注2)四つに組んで決着がつかないらしい。
動物は序列に敏感なのだ。(中略)
女性の訓練士が説明した。犬をかわいがっているつもりで甘やかし、②腕をがぶりとか嚙みつかれた飼い主がいた。甘やかせばつけ上がるだけ、自分が主人と信じ込んで飼い主をなめた結果である。動物はつねに威嚇しながら序列を確認しているから、仲間同士は本気でけん喧か嘩をしない。相手が強い、とわかれば争わない。けん喧か嘩したら互いに傷つき、厳しい自然界では生き残れないから。
さすがに血のめぐりの悪いわが家の犬も、ある日、息子にゴツンと頭をたた叩かれ、最下位が確定、平和的にす棲み分けが決まり、予算オーバーの訓練は終了した。
動物から教訓を得たわけではないが、家庭内でもタテマエとしての序列がないと混乱がはじまる。おや親じ父の権威の喪失が取り返しのつかないところまできたのは(注3)家父長制を否定しすぎた結果でもある。戦前は長子相続で、次男以下は相続権がなく女性にいたってはその他大勢の扱い、ひどいものだった。そういう状態を復活せよ、と述べているのではない。
職場で女性がもっと管理職に進出できる環境は整えたほうがよいし、僕の経験からして共働きには賛成である。家事も分担したほうがよい。③だが男女平等をはきちがえてはいけない。家庭は動物の巣に似た面がある。権威としての父性、(注4)包容力の母性まで削り取ってはいけない。父親は筋肉質でひげ髯をはやし、母親には柔らかな肌とやさしい笑顔があるように、それらしく演じ分けたほうがよい。頻発する家庭内暴力が役割構造の喪失と無縁ではないからである。
(猪瀬直樹「家」1999年9月26日付朝日新聞朝刊による)
(注1)降参する:負ける
(注2)四つに組む:しっかり向き合って闘うこと
(注3)家父長制:男性の年長者が家族を支配するという制度
(注4)包容力:相手を寛大な気持ちで受け止める力
2. ②腕をがぶりとか嚙みつかれた飼い主がいたとあるが、この犬はどうしてか嚙みついたか。
A. この犬は自分の方が飼い主より上だと思っていたから
B. 女性の訓練士に甘やかされて誰にでもか嚙みついていたから
C. 強い相手に挑まなければ厳しい自然界では生きられないから
D. この犬は飼い主と自分の序列はまだ定まっていないと思ったから
Câu 64: うちの犬は頭がよくなけれどむやみにほ吠えない。これは犬種の性格である。もうひとつ、絶対にか嚙みつかない。これは訓練士に仕込まれた成果である。大きな犬なので幼児にか嚙みついたら事件になってしまう。
訓練士は二十代の女性でスクーターに乗ってやってきた。訓練時間は週に4回、各30分である。半年近く経っても訓練が終わらないので、いつになったら卒業できるんですか、とたず訊ねた。家庭内での序列がはっきりしたら、と説明する。序列ねえ、どういうことかな、とさらに質問すると、①お宅の坊ちゃんがまだ……。
十年前なので息子は小学生である。体格的にも犬と息子に差がない。うちの犬はまず僕、つぎに妻と気の強い娘に(注1)降参したのだ。だが息子は軟体動物のようにふにゃらふにゃらとしている。寝てばかりいる。起きてもあくびばかりしている。両者は最下位争いを演じたまま(注2)四つに組んで決着がつかないらしい。
動物は序列に敏感なのだ。(中略)
女性の訓練士が説明した。犬をかわいがっているつもりで甘やかし、②腕をがぶりとか嚙みつかれた飼い主がいた。甘やかせばつけ上がるだけ、自分が主人と信じ込んで飼い主をなめた結果である。動物はつねに威嚇しながら序列を確認しているから、仲間同士は本気でけん喧か嘩をしない。相手が強い、とわかれば争わない。けん喧か嘩したら互いに傷つき、厳しい自然界では生き残れないから。
さすがに血のめぐりの悪いわが家の犬も、ある日、息子にゴツンと頭をたた叩かれ、最下位が確定、平和的にす棲み分けが決まり、予算オーバーの訓練は終了した。
動物から教訓を得たわけではないが、家庭内でもタテマエとしての序列がないと混乱がはじまる。おや親じ父の権威の喪失が取り返しのつかないところまできたのは(注3)家父長制を否定しすぎた結果でもある。戦前は長子相続で、次男以下は相続権がなく女性にいたってはその他大勢の扱い、ひどいものだった。そういう状態を復活せよ、と述べているのではない。
職場で女性がもっと管理職に進出できる環境は整えたほうがよいし、僕の経験からして共働きには賛成である。家事も分担したほうがよい。③だが男女平等をはきちがえてはいけない。家庭は動物の巣に似た面がある。権威としての父性、(注4)包容力の母性まで削り取ってはいけない。父親は筋肉質でひげ髯をはやし、母親には柔らかな肌とやさしい笑顔があるように、それらしく演じ分けたほうがよい。頻発する家庭内暴力が役割構造の喪失と無縁ではないからである。
(猪瀬直樹「家」1999年9月26日付朝日新聞朝刊による)
(注1)降参する:負ける
(注2)四つに組む:しっかり向き合って闘うこと
(注3)家父長制:男性の年長者が家族を支配するという制度
(注4)包容力:相手を寛大な気持ちで受け止める力
3. ③男女平等をはきちがえてはいけないと言っているが、筆者は「はきちが える」とどうなると考えているか。
A. 共働きが普通になり、父親が家事を分担するようになる。
B. 父親と母親の家庭内での役割が混乱し、問題が生まれる。
C. 職場で女性がもっと管理職に進出できるような環境になる。
D. 家父長制が復活して戦前の社会のように人が序列化される。
Câu 65: うちの犬は頭がよくなけれどむやみにほ吠えない。これは犬種の性格である。もうひとつ、絶対にか嚙みつかない。これは訓練士に仕込まれた成果である。大きな犬なので幼児にか嚙みついたら事件になってしまう。
訓練士は二十代の女性でスクーターに乗ってやってきた。訓練時間は週に4回、各30分である。半年近く経っても訓練が終わらないので、いつになったら卒業できるんですか、とたず訊ねた。家庭内での序列がはっきりしたら、と説明する。序列ねえ、どういうことかな、とさらに質問すると、①お宅の坊ちゃんがまだ……。
十年前なので息子は小学生である。体格的にも犬と息子に差がない。うちの犬はまず僕、つぎに妻と気の強い娘に(注1)降参したのだ。だが息子は軟体動物のようにふにゃらふにゃらとしている。寝てばかりいる。起きてもあくびばかりしている。両者は最下位争いを演じたまま(注2)四つに組んで決着がつかないらしい。
動物は序列に敏感なのだ。(中略)
女性の訓練士が説明した。犬をかわいがっているつもりで甘やかし、②腕をがぶりとか嚙みつかれた飼い主がいた。甘やかせばつけ上がるだけ、自分が主人と信じ込んで飼い主をなめた結果である。動物はつねに威嚇しながら序列を確認しているから、仲間同士は本気でけん喧か嘩をしない。相手が強い、とわかれば争わない。けん喧か嘩したら互いに傷つき、厳しい自然界では生き残れないから。
さすがに血のめぐりの悪いわが家の犬も、ある日、息子にゴツンと頭をたた叩かれ、最下位が確定、平和的にす棲み分けが決まり、予算オーバーの訓練は終了した。
動物から教訓を得たわけではないが、家庭内でもタテマエとしての序列がないと混乱がはじまる。おや親じ父の権威の喪失が取り返しのつかないところまできたのは(注3)家父長制を否定しすぎた結果でもある。戦前は長子相続で、次男以下は相続権がなく女性にいたってはその他大勢の扱い、ひどいものだった。そういう状態を復活せよ、と述べているのではない。
職場で女性がもっと管理職に進出できる環境は整えたほうがよいし、僕の経験からして共働きには賛成である。家事も分担したほうがよい。③だが男女平等をはきちがえてはいけない。家庭は動物の巣に似た面がある。権威としての父性、(注4)包容力の母性まで削り取ってはいけない。父親は筋肉質でひげ髯をはやし、母親には柔らかな肌とやさしい笑顔があるように、それらしく演じ分けたほうがよい。頻発する家庭内暴力が役割構造の喪失と無縁ではないからである。
(猪瀬直樹「家」1999年9月26日付朝日新聞朝刊による)
(注1)降参する:負ける
(注2)四つに組む:しっかり向き合って闘うこと
(注3)家父長制:男性の年長者が家族を支配するという制度
(注4)包容力:相手を寛大な気持ちで受け止める力
4. この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
A. 犬には訓練によって家庭内での序列を教え込むことが必要である。
B. 父親と母親の役割を明確にするために、家父長制を復活すベきである。
C. 家庭の問題を解決するためには動物と同じく序列化が必要である。
D. 親は家庭でそれぞれ父性や母性にもとづく役割を果たすべきである。
Câu 66: 問題4次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A
生態系(注1)保ほ全ぜんでは、そこに(注2)生息する生物のことを考慮するが、生態系を構成するすべての生物を等しく扱うことはできない。なぜなら、一部の生物を守ろうとすると、必ず不利益を被る生物が生じるからである。すなわち、われわれ人間が何をしても、それによって利益を得る生物と不利益を受けるものが生じることになる。そうなると、生態系を保ほ全ぜんする目的で、何らかの活動をするということは、一部の生物種に利益を与えるということになる。
(中略)
唯一われわれが言えることは、われわれが人類であるから、「地球生態系は人類が健全に生きていくためにある」ということである。すなわち、「生態系は人類のため」なのである。言い換えれば、人類に利益を与えてくれる生態系を保ほ全ぜんすべきなのである。
(花里孝幸『自然はそんなにヤワじやない―誤解だらけの生態系』による)
B
(注3)保ほ全ぜん生物学の核となる概念である生物多様性は種の存続によって維持される。したがって、保ほ全ぜん生物学では、希少種や減少過程にある個体群の保ほ全ぜんに関する知識と方法が一つの重要な課題である。(中略)
しかし、個別の種をそれぞれ保護することは非常に困難である。一つの生態系をとっても、微生物から植物、昆虫、哺ほ乳にゅう動物など多くの種が生存しているが、それらの全すべての生態を把握して保護することは不可能に近い。さらに、未分類の種や種レベル以下の遺伝的多様性は、個別の種を保護する方法では逆に保護されなくなってしまう恐れがある。そこで、多様な生物の相互関係を含む自然をそのまま保ほ全ぜんすることが重要になってくる。つまり、生態系を保ほ全ぜんすることで、そこに含まれる全すべての生物を保護するという考え方である。
(高柳敦『琵琶湖研究所所報』1996年第15号による)
(注1)ほ保ぜん全:ここでは、守ること
(注2)生息する:生きる
(注3)ほ保ぜん全生物学:生態学の研究分野のひとつ
1. 生態系を構成する生物の保護について、AとBの文章で共通して述べられていることは何か。
A. 多様な生物を含む自然全体を保護することが重要である。
B. 多様な生物種を一様に保護していくことは非常に難しい。
C. 生物種を分類して保護することは生物間の差別につながる。
D. 人類に利益を与える生物を保護するべきである。
Câu 67: 問題4次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A
生態系(注1)保ほ全ぜんでは、そこに(注2)生息する生物のことを考慮するが、生態系を構成するすべての生物を等しく扱うことはできない。なぜなら、一部の生物を守ろうとすると、必ず不利益を被る生物が生じるからである。すなわち、われわれ人間が何をしても、それによって利益を得る生物と不利益を受けるものが生じることになる。そうなると、生態系を保ほ全ぜんする目的で、何らかの活動をするということは、一部の生物種に利益を与えるということになる。
(中略)
唯一われわれが言えることは、われわれが人類であるから、「地球生態系は人類が健全に生きていくためにある」ということである。すなわち、「生態系は人類のため」なのである。言い換えれば、人類に利益を与えてくれる生態系を保ほ全ぜんすべきなのである。
(花里孝幸『自然はそんなにヤワじやない―誤解だらけの生態系』による)
B
(注3)保ほ全ぜん生物学の核となる概念である生物多様性は種の存続によって維持される。したがって、保ほ全ぜん生物学では、希少種や減少過程にある個体群の保ほ全ぜんに関する知識と方法が一つの重要な課題である。(中略)
しかし、個別の種をそれぞれ保護することは非常に困難である。一つの生態系をとっても、微生物から植物、昆虫、哺ほ乳にゅう動物など多くの種が生存しているが、それらの全すべての生態を把握して保護することは不可能に近い。さらに、未分類の種や種レベル以下の遺伝的多様性は、個別の種を保護する方法では逆に保護されなくなってしまう恐れがある。そこで、多様な生物の相互関係を含む自然をそのまま保ほ全ぜんすることが重要になってくる。つまり、生態系を保ほ全ぜんすることで、そこに含まれる全すべての生物を保護するという考え方である。
(高柳敦『琵琶湖研究所所報』1996年第15号による)
(注1)ほ保ぜん全:ここでは、守ること
(注2)生息する:生きる
(注3)ほ保ぜん全生物学:生態学の研究分野のひとつ
2. 保護すべき対象についてAとBはどのように考えているか。
A. Aは地球生態系を、Bは遺伝的多様性のある種を保護すべきだと考えている。
B. Aは生態系の全生物を、Bは希少価値のある生物を保護すべきだと考えている。
C. Aは人類に利益を与える生物種を、Bは個別の種を保護すべきだと考えている。
D. Aは人類のためになる生態系を、Bは生態系全体を保護すべきだと考えている。
Câu 68: 問題5以下の質問に答えてください。答えは1・2・3・4からいちばんいいものを一つえらんでください。

1.会社員の山田さんは英語で書かれた新聞を読めるようになりたいと思っている。週末は出張が多いので平日しか通えない。山田さんに合う講座はどれか。
Câu 69: 問題5以下の質問に答えてください。答えは1・2・3・4からいちばんいいものを一つえらんでください。

2.④の講座を受講するためにはどのような手続きが必要か。
A. 見学をしてレベルを確認してから、電話で受講を申し込む。
B. 会館に行って総合パンフレットをもらい、窓口で申し込む。
C. 電話で受講申込書を送ってもらい、会館に行って申し込む。
D. 事前見学の予約をし、見学後、郵便局で受講料を振り込む。